この記事では、外資IT企業への転職を考えている人向けに「転職活動のはじめ方」について解説します。
転職活動って何からすればいいの?
こんな方のために、私のこれまでの転職の実体験を元に「転職活動をしようと思った時に」やってほしいアクションを解説していきます!
転職活動のスタートは「気持ち」の整理
転職活動でまずやるべきことは何か?
それは、ズバリ「自分の考えや思いを整理する」ことです。
「履歴書を書く」「企業に応募する」といったステップに進む前に「なぜ転職をしたいのか?」「転職に何を求めるのか?」といった、転職活動の「軸」をハッキリさせることが大切です。
というのも、「軸」を明確にすることで、「ブレない」転職活動をすることができるからです。
自分の考えをまとめたり、紙に書き出したりして整理することが、転職活動中、内定後も必ず役に立ちます。
ということで、私がおすすめする「転職活動のはじめ方」も、まず自分の「軸」を整理することからです。
とは言え、「いきなり企業に応募するな!」と言っているわけではありません。
行動をしてから火がつくタイプの人もいますし、動きながら見えてくるものも多いからです。
なので、別にここで紹介する順番通りにやらなくてもいいんですが、スムーズに活動を進めるならば、この順番で行っていくのがオススメですよ、ということです。
STEP1: 「転職の目的」を整理する
転職活動のスタートとして「転職の目的」を整理しましょう。これはつまり、
「そもそもなぜ自分は転職したいのか?」を明確にすることを意味します
転職をしようと思うきっかけには様々な理由があると思いますが、その理由が漠然としている人も多いはずです。
「今の仕事があまり面白くない。。」
「このまま今の会社に居続けていいんだろうか?」
このような漠然とした不満や不安から、なんとなく転職したい、と思うこともあるはずです。
もちろん転職のきっかけとして、このようなモヤッとした思いから出発してもいいんですが、このような「何となく」の理由のまま転職活動を始めてしまうと、いざ転職先を決める、あるいはいざ会社を辞めるとなったときに迷いが生じがちです。
転職活動、やっていると必ず迷います笑
特に最初の転職は不安が大きいので、なるべく気持ちを整理しておきたいですね。
なぜ辞めたいのか?ゴールが明確に出来ていたほうが後で迷わなくて済みます
「やっぱり転職しなくていいかも。。」と思ったときに、最初の決意を思い出せるようにすることが大事です。
・給料を上げたい
・どこでも通用するスキルを身につけたい
・業界の見通しが暗い・将来性が無い
・会社に依存する人生を送りたくない
など、具体的に文字に起こして転職の動機を整理しておきましょう。
今後、転職活動に迷った時の道標になるはずです。
STEP2: 「転職の方向性」を決める
転職したい理由が明確になったら、次は「転職の方向性」を決めていきましょう。
「方向性」というのは具体的に言うと
- どんな仕事をしたいのか
今の職種と同じ?新しい職種に挑戦? - 転職先に求める優先順位
仕事内容か?給料か?勤務時間か? - 会社の規模
大企業か?スタートアップか? - 会社のビジネス内容
アプリ?インフラ?広告?IT?など
このような項目に分けて、方向性を整理していきます。
志望先の「アタリ」をつける上で、このような整理が役に立ちます。
この中でも特に、「優先順位」は大事ですね。
これは、STEP1の転職理由とも密接に関わるのですが、転職先に何を求めるか?を決めておくと、後々悩みが少なくなりますし、転職エージェントとのコミュニケーションがしやすくなります。
「やりたい仕事にこだわるか?」
「会社の成長性にこだわるか?」
「年収や待遇にこだわるか?」
もちろん、全て実現すればいいのですが、「最も譲れないことは何か?」ということを明確にできていると、進路選びの指針として役に立ちます。
なお、この時点での方向性決めは、「とりあえずこんな感じかな」という大まかなレベルで構いません。
というのも、仕事選びというのは運とタイミング、そして偶然の出会い。
カチッと決めすぎなくても、転職活動を通じて、思いもよらなかった会社や仕事との出会いがあるものだからです。
転職活動をしている中で、この辺りの方針は常に変わるのが当たり前なので、やりながら、考えていく、というスタンスでいいと思います。
とは言え、あまりにも「なんでもいいや」という状態だと、この後の情報収集や活動のアクションで何から手をつけていいかわからないので、ぼんやりとした方向性は決めておきたいということです。
STEP3: 経験やスキルを整理する
さて、STEP1とSTEP2で「転職活動の目的」や「転職の優先順位」をはっきり出来ていると、だいぶ転職活動への「軸」は定まってくると思います。
次のステップは「自分の経験やスキルを整理する」ことです。
自分がこれまでのキャリアの中でやってきた仕事、そこで身につけたスキルを書き出しておきます。
このような、過去の経歴の整理が、そのまま履歴書、レジュメに使えますし、面接の時のトークの引き出しになります。
まさに転職活動の本格的な準備、「自分の武器の整理」という位置付けになります。
具体的は、下記のような項目を整理してみてください。
- 職務内容
例:法人営業経験5年(中小企業担当2年、大企業担当3年) - スキル
例:ソフトウェアの新規開拓営業、プロジェクトマネジメントスキル - 成果
例:年間新規顧客開拓20社、予算達成率120%(1位/営業部20名中) - 強み
例:ソリューション提案、アカウントマネジメント、交渉力 - 強みを示す裏付け
例:○○社の常務に提案を訴求し〇〇円の案件を受注〜
この辺りを整理しておくことで、自分の強みを客観的に把握できるようにしておきましょう。
この先、転職エージェントに相談するにしても、企業の採用担当と面談するにしても、「経歴」や「スキル」というのは必ず聞かれますので、予め、経験の棚卸しはしておくことが大切です。
この経験の棚卸しが出来たら、「履歴書」(=外資系では「レジュメ」と言う)としてまとめてみましょう。(レジュメの書き方については、別の記事で詳しくまとめたいと思います!)
STEP4: 情報収集をする
さて、そして次のステップは情報収集です。
「ん?情報収集なんて一番最初にやるもんじゃないの?」と思うかもしれません。
はい、何気なく転職ブログを見るとか、業界の記事を眺めてみるとか、そのレベルの情報収集は始めに、というか好きな時にやってください。
ココで言っている情報収集は、もう少し「真剣なトーンで行う」情報集め。
つまり、自分がどの会社に行くか?本気で検討するための行動です。
STEP1-3のアクションを終えたあなたは、すでに転職理由も明確で、方向性もある程度見えて、自分の強みもなんとなく整理できている状態なので、情報収集にも身が入るはずです。
情報収集の具体的な方法として、下記があります。
- 口コミサイト
- 企業の採用ページ
- 仲介サービス
- 転職エージェント
- 業界経験者に話を聞く
口コミサイト
誰しも気軽にできる情報収集の一つが「Webでググる」ことです。
転職活動の序盤は、Webで最低限の知識を得るのはいいと思います。
ただし、Webにあふれる情報というのは、信憑性に欠けるものもあるため、話半分で見ておく必要はあります。
実際に、「外資系」「転職」などとググッてみても、集客目当ての転職エージェントが書いた適当な記事が並んでいたりしてアテにならないです。(まぁそれを言ったらこのブログもそうなんですけど笑)
もし、Webの情報を見るなら、業界経験者が書いているブログや、Openworkのような口コミサイトが良いです。
特に口コミサイトの方は、人材会社が書いている記事と違って、実体験に基づいている生々しい話が多く信憑性が高いと言えます。
具体的な志望先がある人は、このようなサイトを使って、企業の評判を見てみるといいでしょう。
企業の採用ページ
外資系企業の採用ページには、「求人情報」が全て公開されています。
求人条件には「募集要項」として、必要な経験、スキルなども記載されているので、これらを見てみて、自分の経歴でチャンスがあるのか?足りないスキルは何か?などを確認してみるのは良いと思います。
具体的に、興味がある会社がある場合は、ぜひ直接採用ページを見てみてください。
「そもそもどんな会社を見ればいいかわからない」という人は、次で説明する「仲介サービス」を活用してみて、気になる会社を探してください。
仲介サービス
仲介サービスには、転職活動を始めた段階でまず登録しておきましょう。
仲介サービスというのは、私たちのような転職希望者と、「企業の採用担当」や「転職エージェント」を結びつけてくれるプラットフォームです。
仲介サービスを使えば、求人も簡単に知れべられますし、転職エージェントや採用担当でからスカウトメッセージを貰えるので、自分でセコセコ情報収集する手間が省けます。
特に、外資系IT企業への転職希望者なら、LinkedInの登録はマストです。
業界では、LinkedInのプロフィールは名刺がわりのようなもので、企業の採用担当と、LinkedInのメッセージを通じてやり取りすることもあるため、必ず登録しておきたいです。
外資ITの世界では名刺代わりと言ってもいいサービスで、業界への転職活動においても基本になるので、必ず登録するべきですね。
ただし、LinkedInは、基本的に外資系の転職エージェントが使っていることが多く、スカウトメッセージも英語で来たりするため、ある程度、業界慣れした人向けのサービスではあります。
特に転職が初めてで、幅広く選択肢をみたい場合には、ビズリーチへの登録をオススメします。
LinkedInとビズリーチで出来ることは、ほとんど同じですが、求人内容やスカウトメッセージの内容が両者で違うので、外資ITへの転職希望者は両方に登録しておくべきです(こちらも無料)
LinkedInがもっぱら同じ外資ITからの誘いばかりなのに対し、ビズリーチは日系のスタートアップからも声がかかったりする所が面白いです。
私も、Linkedin、ビズリーチ、両方に登録していますが、求人の種類が結構、違っていて面白いです。
ビズリーチに登録しておくと、外資系の採用担当からはもちろん、日系のスタートアップからも連絡が来たりするので、新しい発見があります。
転職エージェント
これらの仲介サービスの他に、転職エージェントも2・3社、登録しておきたいです。私も、すぐに転職する予定はなくても、エージェントと時々会話して、今の自分の市場価値や、今の求人の状況をチェックするようにしています。
エージェントを使う場合、「どこでも良い」というわけではなく、「業界に詳しいエージェント」をしっかり選ぶことが重要です。業界に特化して、少数精鋭でやっている会社の方が、質の高い情報を提供してくれる可能性が高いです。
「業界特化型の転職エージェント」は、小規模な会社を含めると、それこそ無数に存在しますが、初めての場合は、やはりある程度、大きめの会社を選んだ方が安心感はあります。
私のオススメは、「JAC Recruitment」と「エンワールド」の二社です。
いずれも、外資系に特化した専門チームがあり、案件は豊富、エージェントも経験豊富な方が揃っています。顧客満足度も両社、非常に高く、安心して使うことが出来ます。
まず「JAC Recruitment」は、ロンドン発祥の日系転職エージェントということで、外資系企業の求人に強みを持っています。
外資IT業界出身の方も多く、私が相談した際も、外資IT出身の方に担当してもらい、非常に話が早かったですね。
そして、「エンワールド」は、大手人材会社「エン・ジャパン」のグループ会社で、グローバル人材の篆書甲子園サービスに特化した会社です。
業界に特化した企業だけあって、しっかりとした専門性を持った人が多いため、こちらもオススメです。
いずれも登録だけなら無料なので、「とりあえず話を聞いてみる」くらいの手軽な気持ちで一度面談をしてみるのが良いと思います。
また、エージェントによって、転職のアドバイスは結構違う場合もあるので、複数のエージェントに登録してみて、話を聞いてみると視野が広がります。
- 自分の市場価値はどれくらいか?
- 現時点で受けられる求人はあるか?
- スキル不足をどうやって埋められるか?
このようなことを判断、確認する上で、転職エージェントは強い味方になるはずです。
LinkedIn、ビズリーチでスカウトを待って「網を張り」、JAC、エンワールド等の業界特化型エージェントで個別に相談できる担当を見つける。
これらのような手段を使って、多角的に情報を集めていけば、かなり業界に詳しくなれるはずです。
業界経験者に話を聞く
ここまでの手段で、かなりのレベルで情報を集めることができるはずですが、最も有効なのは、実際に働いている人に直接、話を聞く機会をもつことです。
転職活動では「一次情報にこそ価値がある」と言えます
つまり、どこの誰が書いたかわからない、ネットの記事を読んで鵜呑みにするのではなく、自分で業界の中の人や、業界をよく知る人から直接話を聞くことが大事ということです。
特にこの業界はネットに情報が少ないので、生の情報を仕入れることが大切です。
自分が直接聞いた話を元に、「志望動機」や「アピールポイント」を整理できると、面接の特の迫力や説得力が違ってきますしね。
ぜひ、選考を受ける前に、中で働く社員の話は聞いておきたいですね。
直接、社員に話を聞くための手段として、友人、知人のツテを辿ってコンタクトを取れればいいですが、そうではない場合、次のステップ「カジュアル面談」の機会を作ることにトライしてみましょう。
STEP5: 志望先とカジュアル面談をする
情報収集で行きたい企業にアタリをつけたら、いよいよ企業にアプローチしてみましょう。
転職活動でおすすめなのは、いきなり面接を受けるのではなく、「カジュアル面談」という形でまずは気軽に企業に話を聞いてみることです。
「カジュアル面談」というのは、「選考とは関係なく情報交換ができる面談」のことです。
受けるかどうかわからないのに、面談を申し込んで失礼じゃないのか?
と思う人もいるかもしれませんが、答えはNoです!
特に外資系は、本採用に進む前に、カジュアルに話をしてお互いの認識を合わせるという、という形がとても一般的です。
このカジュアル面談を通じて、応募するに当たって気になること、心配なことを確認しておきましょう。
カジュアル面談は、基本的に企業の採用担当にコンタクトすれば受けてくれることが多いです。
企業の採用ページから連絡するのもいいですし、LinkedInやビズリーチを使えば、外資系IT企業が求人を出しているので、そこからコンタクトしてもいいでしょう。
自分で人事部に連絡するのが心配な方は転職エージェントに相談してみるのもいいです。
転職エージェントなら、企業の採用担当と繋がっているので、志望先の人事担当社を繋げてくれるはずです。
エージェントは相談するだけならタダなので、いろんなエージェントに登録してみて使い倒すようにしましょう。
本試験の時に、より面接で「良い回答」が出来る様に、このカジュアル面談を通じてしっかり情報を集めておきましょう。
STEP6: 企業に応募する
「情報収集」や「カジュアル面談」で、十分に情報を集められたら、いよいよ企業に応募します。
応募のやり方は大きく「直接応募」「エージェント経由」の2つがあります。
転職活動に自信がある人なら、企業に「直接応募」するのが良いです。
エージェントを介さない分、やりとりがスピーディですし、給与交渉なども直接企業と行うことが出来ます、選考に漏れた場合も直接フィードバックが受けられるので、どんな結果になったとしても納得感があります。
STEP5で、人事と直接、カジュアル面談した場合は、その流れで応募してみるのも良いでしょう。
一方、転職に慣れておらず、サポートやアドバイスが欲しい人は「エージェント経由」をオススメします。
エージェント経由で応募を行うことで、下記のようなサポートを受けることができます。
- 転職先候補のリストアップ
- レジュメ作成のアドバイス
- 企業との日程調整
- 面接の事前準備、アドバイス
- 給与や入社時期などの条件交渉
私も、最近では「直接応募」するようになりましたが、最初の転職では「エージェント」に助けてもらいながら、転職のノウハウを学びました。
エージェントを使って、レジュメや面接準備を行いながら、並行して直接企業に応募する、という合わせ技も有効だと思います。
転職活動は慣れも大切なので、あらゆる手段を使いながら、自分の「転職力」を高めていきましょう。
「転職のはじめ方」としては、一旦ココまでにしたいと思います。
企業に応募したら、次はいよいよ面接。面接のポイントや内定後の手続きなどは、また別の記事で書いていきます。
皆さんの転職活動を応援しています!