セールスフォースの強みとキャリア

今、 Saasベンダーの雄として飛ぶ鳥を落とす勢いで成長しているセールスフォース

なぜセールスフォースはここまで成長しているのか?

この記事は、主にセールスフォースへの就職・転職を検討している方向けに、歴史や事業領域、特徴や強み、成長の秘密、さらにキャリアとしての魅力に至るまで、私の独断と偏見も交えてお伝えしていきます。

目次

セールスフォースは何が凄いのか?

生い立ち

さてまずは、セールスフォースとは?ということで、ビジネスの特徴や強みについて整理していきましょう。

セールスフォースはアメリカ、カリフォルニア州で1999年に設立されたIT企業。

オラクルで幹部を務めていたマークベニオフによって創業されました。

売上はグローバルで3兆にも上り、今や日本法人は2000年4月に設立されてはや20年以上の歴史があります。

事業領域としては、元々得意としていたCRM・SFAを中心に今や、マーケティング、コールセンター、AI、アナリティクス、など多岐に及び総合ITベンダーとして成長を続けています。

SaaSの先駆者として登場!

セールスフォースの何が凄いのか、知っておくべきは、なんといっても今や日本でも広く浸透したSaaSというカテゴリの先駆者であること

クラウドという言葉が登場し始めたばかりの頃に、「ソフトウェアをインターネット経由で使えるようにする」という考え方を全面に打ち出して注目を集めました。

当時、業務システムというのは、自社で購入したマシン、ハードウェアにソフトをインストールとして使う、いわゆるオンプレミスが一般的。たとえば企業はSAPやオラクルのライセンスを購入して、自社のシステムに導入していました。

セールスフォースは、この考え方はもう古い、これからはクラウドだ、SaaSだというメッセージを市場に発信しました。

実際に、当時のセールスフォースのコーポレートロゴには、ソフトウェアはもういらない、ということを示すマークが描かれています。

創業当時のSalesforceのロゴ

従来のように、自社でソフトウェアを購入して使うことはもはや時代遅れだと、これからはシステムをサービスとして使う時代だ!とトップ自ら市場を啓蒙し、ブランドイメージを作り上げていきました。

そして、セールスフォース、という名前の由来の通り、まずは営業の仕事をマネジメントしたり効率化するシステム、いわゆるCRM・SFAといった領域から事業をスタートさせました。

当時、この領域は会計システムなどと比べるとまだ新しい分野で、競合も少なく、お客さんが試しにクラウド、SaaSというものを導入してみる、という意味では、まさにうってつけという感じでしたね。

大きな既存システムがあると簡単に入れ替えるのは難しいですが、新しい領域であれば導入のハードルはぐっと下がるからです。

営業手法も革新的

セールスフォースは、SaaSというビジネスモデルだけではなく、営業手法も新しく、IT部門ではなく営業などのビジネス部門にアプローチする、というやり方をしてシェアを伸ばしました。

このアプローチはSaaSモデルにとてもマッチしていて、要はめんどくさいシステム構築とか、設定なんてしなくても、すぐに便利なシステムを使えますよ、しかも簡単にはじめられて大きな投資もいりませんよ、という話で社長や営業責任者とかを口説くわけです。

そして、その時にはシステムの話は一切しない。

うちのサービスを使えば、営業マンの商談状況が簡単に見えるようになります、売上の計画や予測も簡単です、とビジネス的な価値をアピールして売り込みをかけるわけです。

当時、他のITベンダーはシステム部門に営業をかける、ということが普通だったので、これは斬新でした。

それまでは、システム導入はIT部門が行うのが当たり前でしたが、セールスフォースの登場により、ユーザー部門が独自にシステムを導入するケースも増えていきました。

このように、これまでにないビジネスモデルと営業手法でセールスフォースはCRMの領域でシェアを伸ばしていきます。

カスタマーサクセスという新しいモデル

また、今では日本でもメジャーになってきた、カスタマーサクセスという考え方や職種を定着させたのもセールスフォースですね。

「売り切り型」というそれまでのソフトウェアのビジネスのやり方から、お客様と長く付き合って取引を伸ばしていくというスタイルを確立していきました。(カスタマーサクセスの仕事はCSMと略されるようになり、かなり一般的になってきました)

一方、セールスフォースは今では広く知られた大企業ですが、まだ出てきた当社は今ほどの存在感はなかったですね。

SFAというのは他のシステムに比べると市場規模が小さかったので、所詮はCRMでしょ、とか、ポッと出のベンチャーでしょ、と思っているIT業界の人も少なくなかったと思います。

それが、日本郵政やトヨタ、メガバンクなど、日本の錚々たる大企業に次々と導入が進んでいき、この10数年でここまでの規模に成長するとは、IT業界の時代の変化恐るべしという感じ。

今や、セールスフォースのCRMは特に法人向けのITセールスの世界ではデファクトスタンダード、つまり業界標準のようになっていて、ほとんどのグローバルITベンダーが導入しています。

僕たち外資ITの営業は、毎日セールスフォースを触りながら仕事をするというのが当たり前になっています。

幅広いビジネス領域

CRMからスタートしたセールスフォースのビジネス領域は、今や広範囲に渡ります。

MAやDMPなどのマーケティング製品、コールセンターなどのカスタマーサービスのプロダクト、ECサイトのプラットフォームやAIなど、年々、守備範囲を広げてきています。

これらは自社独自で開発した製品ももちろんありますが、豊富な資金を活かした買収戦略を進めることによって実現した部分もあります。

これはセールスフォースに限った話ではないですが、この業界、特定の分野で成功すると買収によってどんどんビジネス範囲を拡大できるんですよね。

というわけで、セールスフォースの過去の目立った買収先をざっと上げてみます。

2011年 Heroku(アプリ開発基盤)

2013年 Exact Target(MA)

2014年 Related IQ(AI)

2016年 DemandWare(EC基盤)

2018年 Mulesoft(データ基盤)、Datorama(DMP)

2019年 Tableau(BI)

2021年 Slack(Chat)

いやー、あらためて整理してみると凄まじい買収の歴史。

これは同社の買収のごく一部ですが、ざっと見るだけでもセールスフォースがいかに数多くの買収をして製品ポートフォリオを拡大してきたかが分かります。

SFAから来ているセールスフォースという社名も今や過去の話、もはやIT領域のあらゆるカテゴリをカバーする総合ベンダーに進化しているんです。

キャリアとしてのセールスフォース

では、最後に、働く場所、キャリアとしてセールスフォースという会社はどうなのか。

特に、同社のメインの職種であるセールスに関して私の独断と偏見を交えて話していきます。

結論から言うと、セールスフォースで働くのは、覚悟があるならおすすめできる!という感じになります。

特にあなたが営業職を希望するなら、セールスフォースはエンタープライズセールスとして力をつける上で格好の修行の場になるでしょう。

というのも、営業プロセスが非常に体系化、構造化されていて、会社のフレームワークどおりにやれば誰でも売れるという仕組みができているからです。

この会社で、法人向けのITソリューションの売り方を学べば、他の会社でも通用する基礎を身につけることができるはずです。

会社のブランドイメージとしても年々、存在感が大きくなっており、数年在籍してしっかり成果を出せば、少なくとも業界内では、キャリアとして高く評価されるでしょう。

このような会社の魅力もあり、就職先としての人気も高い同社ですが、組織は拡大している一方で人の入れ替わりは激しいため、入社のハードルはそこまで高くなく、第二新卒や異業種出身者も積極的に採用しており、外資IT業界に最初にチャレンジする人には狙いやすい企業とも言えます。

セールスフォースの営業組織はざっくりいうと、大手企業、中小担当、インサイドセールスという感じで別れていますが、中小担当、インサイドセールスは若手や業界未経験者も積極採用しています。

そこでIT業界のセールスの「いろは」を学んで、大企業担当に異動するもより、他部署に行くもよし、転職するもよし、とキャリアを選んでいくことができるでしょう。

業界未経験者が狙うポジションとしては候補に上げても良い一つだと思います。

このあたりのポジションに、若い時に入社して、愛社精神が強い人たちと、IT業界ベテランのシニアが混在している社風というイメージがあって面白いです。

一方で、覚悟がいる、という部分についてですが、仕事はある程度厳しいのでそれは知っておいたほうがいい、ということです。

まあもはや大きい組織なので一概には言えないでしょうが、基本的には体育会系の社風で数字達成へのプレッシャーは強いです。

また、自社製品である営業管理システムをフル活用して、営業の活動や商談の状況を徹底的にマネジメントする文化で、お客さんへの営業活動だけでなく、社内にも細かく、上手に活動をアピールするスキルが求められます。

いずれも、外資ITのセールスには必要なスキルではありますが、もっとゆるい会社は同じ業界にいくらでもあるので、合う合わないはあります。

実際に周りでも、いわゆるマイクロマネジメントな社風が合わずに短期間で辞めてしまった人も多く見かけます。

会社のやり方をしっかりマスターして成果がでれば居心地が良くなるでしょうが、そこに到達するまではある程度の覚悟を持って仕事に望む必要があるでしょう。

まあ外資系であれば、どんな会社に入ってもある程度の覚悟は必要なので、セールスフォースに限った話でもありません。

ですので、同社のビジネスモデルや、カルチャーに魅力を感じたら、キャリアの選択肢としては決して悪くはないと思います。採用は常に積極的なのでチャレンジしてみてもいいのではないでしょうか。

セールスフォースへの転職に向けて

セールスフォースへの転職を本格的に考えるのであれば、手段として、大きく①直接応募②転職エージェント経由の2つがあります。

転職に慣れている人は直接応募もオススメです。セールスフォースは採用リクルーターを自社に多く抱え、直接企業にコンタクトすれば親身に相談に乗ってくれるでしょう。

ただ、一度連絡してしまうと、かなりガツガツ連絡が来るので笑、いきなりコンタクトするのはちょっと不安。。という方は転職エージェントを上手く使ってしっかりと準備を行うのも良いと思います。

セールスフォースはエージェントを使った採用も行っているので、転職エージェント経由で応募しても何の問題もありません。

エージェントに相談すれば、必要なスキルセットのアドバイスや、履歴書作成の支援、面接対策といった幅広いサポートを受けることができるため、心強い味方になります。

もしエージェントに相談する場合は、リクルートエージェントやマイナビエージェントといった「総合型エージェント」ではなく、外資IT業界の転職に詳しい、「業界特化型エージェント」つまり、「外資ITの専門チームを持った転職エージェント」に相談するようにしましょう。

「業界特化型エージェント」なら、大抵の会社がセールスフォースの求人を扱っているでしょうし、業界事情に詳しい担当者に相談することで、自分にとってそもそもセールスフォースは最適な会社なのか?ということも相談できるはずです。

「業界特化型の転職エージェント」は、小規模な会社を含めると、それこそ無数に存在しますが、初めての場合は、やはりある程度、大きめの会社を選んだ方が安心感はあります。

私のオススメは、「JAC Recruitment」「エンワールド」の二社です。

いずれも、外資系に特化した専門チームがあり、案件は豊富、エージェントも経験豊富な方が揃っています。顧客満足度も両社、非常に高く、安心して使うことが出来ます。

まず「JAC Recruitment」は、ロンドン発祥の日系転職エージェントということで、外資系企業の求人に強みを持っています。

外資IT業界出身の方も多く、私が相談した際も、外資IT出身の方に担当してもらい、非常に話が早かったですね。

そして、「エンワールド」は、大手人材会社「エン・ジャパン」のグループ会社で、グローバル人材の篆書甲子園サービスに特化した会社です。

業界に特化した企業だけあって、しっかりとした専門性を持った人が多いため、こちらもオススメです。

いずれも登録だけなら無料なので、「とりあえず話を聞いてみる」くらいの手軽な気持ちで一度面談をしてみるのが良いと思います。

まだまだ日本でも成長が期待されるセールスフォース、部署によっては厳しい環境があるかもしれませんが、この会社で活躍することが出来れば、この業界で永く活躍できることは間違いないでしょう。

外資ITの登竜門として、就職、転職の候補として検討してみるのも良いと思います。

以上、セールスフォースの考察でした、みなさんの業界研究の参考になれば幸いです。

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