外資系IT企業の給料事情【GAFA】

この記事では、外資系IT企業の給料事情についてお話していきます。

GoogleやMicrosoftといった外資系IT企業は、業績が好調で、待遇も良いため、就職先としての人気が高まっています。

今回は外資系IT企業の給与体系、相場、特徴などについて生々しい内情をお伝えしていきます。特にこの業界を希望している方には参考になる情報になれば幸いです。

なお、実際の企業ごとの年収相場や待遇は各種、転職サービスを使って情報収集することをオススメします。

目次

給料に関する業界の特徴

まず、給料に関する業界の特徴について、いくつかお伝えします。

この業界は、同じ会社や役職でも人によって給料が違います。

新卒採用、年功序列が中心の日系企業では、給料もだいたい横並び、というケースがまだ多いと思います。

一方で、ほとんどが中途採用、実力主義という外資系企業では、同じ仕事、役職でも人によって給料がバラバラなんです。

特に、中途採用の場合は、前職の給与をベースに待遇が決まるため、「前の会社でどれくらいもらっていたか?」によって入社時の年収が違う、ということが起きます。

例:
前職は年収500万のAさん→採用の時の年収は600万にアップ
前職が年収1000万のBさん→採用の時の年収は1100万にアップ

このように前の会社の年収が給与のベースとなるため、人によって年収が違うんです。なので、一般的に待遇の目安とされる「平均年収」のような考え方はあまりアテになりません。

また、ポジション、つまり部署によっても給与は結構違います。傾向としては、営業などの売上に直結する部署の給与が高く、経理や人事などの間接部門の方が給与は抑えられています。

これは、営業は売上成績に応じたボーナス(業界用語でコミッションと言います)、これが報酬として多額に支払われるためです。コミッションによって、若くして大金を得る営業も多くいます。

一方、経理などの間接部門はボーナスは一律であり、成果に応じて極端に給料が増えるということはありません。

これだけ見ると、営業が優遇されているようにも思えますが、営業は給料が高い一方で、結果を厳しく問われ、成績が悪いと会社に残ることは難しいです。

これに比べると、間接部門の方がシビアに成果を見られることは少なく、安定して働きやすい、とも言えます。

なお、IT業界といえば「AIのエンジニアに数千万」というニュースをよく見かけたりしますが、外資系IT企業は日本にエンジニアを抱えることはほぼ無いため、このケースは当てはまりません。もちろんGoogleなどのアメリカ本社に行けば違いますが、日本法人で働く場合には、基本的には営業の待遇が最も良い、ということになります。

外資系IT企業の年収相場

さて、このような給与体系の特徴を踏まえた上で、人によって年収が違うとは言え、たいだいの給料相場、というものはありますので、あくまで私の感覚値でだいたいの給与の目安をお伝えしていきますと、

  • 20代後半で500-1000万
  • 30代前半で1000-1500万
  • 30代後半で1200-2000万
  • 40代で1500-2500万
  • その先は役員レベルで3000-5000万

全体的にはかなり高いですよね。

さらに、先程もお話した通り、営業の場合はコミッションの割合が高いため、20代で1000万超え、30代で2000万、3000万を稼ぐ人もざらにいます。

成果を出している営業で言えば、日本企業トップクラスの総合商社や広告代理店などをしのぐ、非常に高い給与設定がされています。若くして高い報酬が得られることもこの業界の魅力です。

また、役職と年収についてですが、部長くらいまでは一般社員とそこまで差はつかず、本部長、役員クラスになると大きく跳ね上がるイメージです。

中々の狭き門な上に、成果に対するプレッシャーはキツくなるので、待遇相応の覚悟は求められます。

なお、厳密に言うと、外資系の多くはジョブグレードという役職の等級があって、この等級によって給料の幅が決められていることが多いです。

例えば、レベル4なら年収800-1200万 レベル5なら1000-1500万という感じでだいたいの相場が決まっています。採用の時に、自分がどのポジションで入社できるかどうかも、年収を決める一つの要素となります。  

年収は現金で振り込まれるものの他に、株で付与されることもあります。

入社の時に貰えるパターンもあれば、成果を出した時に条件付きで付与されるケースもあり、市場で購入するよりも割安で入手できることが多いです。

もし早いうちに成長企業に入社することでできれば、株だけで大きな財産を築くことも可能です。

特に、上場前の企業に入社することで、新規公開株、いわゆるIPOで大きく利益を得るチャンスもあったりします。

企業規模が違っても年収相場は同じ

だいたいの年収相場をお伝えしたところで、ここでさらにいくつか業界の特徴をお伝えしていこうと思います。

まずは、会社が違っても業界内での年収レンジはだいたい同じ、ということです。

これは何を言っているかというと、GoogleやMicrosoftのような超大企業と、まだ規模が小さいスタートアップで、給料はほぼ変わらない、むしろスタートアップの方が高いケースもある、ということです。

他の業界では業界トップの方が年収が高いことが一般的なので、これは珍しいですよね。

大手に行けば高収入、という法則が、この業界に関しては当てはまらないというわけです。

例えば、Microsoftから誰も知らないような同業他社に転職した、という人がいても、給料を妥協したわけではなくて、むしろ給料が上がっているケースのほうが多かったりします。「人によって給料が違う」という話を初めにしましたが、会社間ではあまり給与相場は変わらないというのは面白いですね。

なぜこういうことが起こるかと言うと、競合他社から採用するために給与水準を合わせる必要があるためです。

外資系企業は、中途採用が基本、そして、競合他社から人を採用することが多いため、給与水準を合わせないと人を採用できないです。

この業界は転職が当たり前で、業界内で人材がグルグル周っています。

みな基本的に給料が高いので、同じ業界で人を採用するならそれなりの条件を出さないと人が取れません。ですので、むしろブランド力のある大手企業よりもスタートアップの方が、多少無理をしてでも良い条件を出す、ということが起こるのです。

もう一つ、給料について業界の特徴をお話すると、新卒より中途の方が給料が高い問題、があります。

これは最近改善してきてもいますが、基本的に新卒はなかなか給料が上がりにくく、中途で入ってくる人の方が、給料が高いことが多いです。

例えば23歳で初任給450万の新卒が、28歳で年収600万になったとします。これでも悪くはないですが、28歳だと800-1000万円で中途で入ってくる人もいるため、同じようなキャリアにも関わらず年収に差が生まれます。

このような現状もあり、外資系IT企業に入った新卒は、ある程度経験を積んだタイミングでより良い条件を求めて転職していく人が多いのです。

転職で給料を上げていきながらキャリアを詰んでいくという考え方が一般的です。

さらに、転職で一度上がった給料は基本的には下がりません。

成果が出なくて会社にいづらくなることはありますが、減給されたという話はほとんど聞きません。

最初にお伝えした通り、転職の交渉は今の給料がベースとなるため、600万、800万、1000万というように、転職するたびに年収を上げて行って条件をよくしていく、というのがこの業界でよく見られる年収アップのパターンになります。

知っておきたいキーワード:OTE

最後に、外資系に転職する人が知っておきたい給料に関する言葉、OTEを紹介します。

これはon target earningsの略で、目標を100%達成した場合にもらえる給与のことです。

このOTEという言葉は、採用条件の時によく使われます。

例えば、OTE1500万、6対4で採用します。といった感じです。

ここでいう6対4というのは基本給と成果給の割合のことで、1500万の60パーセント、つまり900万円が基本給、残り40パーセントの600万が成果給。目標を100パーセント達成したら追加で600万が貰えるという意味です。

この基本給のことをベース、成果給のことをインセンティブと言い、両方の合計が年収となるわけです。

特に営業の場合、ベースとインセンティブの割合が5対5というケースもあり、年収いくら?と聞かれても変動が大きくて中々答えにくいという部分があります。

一方で、外資系保険会社のように基本給がほとんどない、というわけではなく、少なくとも一定以上の基本給は保証されているという制度は魅力です。

さらに、外資系ITの営業の魅力として、予算を100%以上達成した場合には年収が跳ね上がります。

インセンティブは100パーセントまでは結果と比例して収入が変わっていきますが、100パーセントを超えた分は1.5倍や2倍の金額が支払われたらします。

例えば先程の例で1500万のOTEの人が、予算の倍、200%の数字を達成したとします。すると、年収は2500-3000万になるというケースもあるわけなんです。

最近はまれですが、極端に大きい商談を取ると億単位の年収を得たという外資系ドリームも起こりえる、夢のある世界です。

自分の実力でしっかりとお金に反映される世界、野心と向上心がある人にとっては、十分に見返りがある業界だとは言えます。ぜひチャレンジしてみてくださいね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次